window
* このスレッドはロックされています。記事の閲覧のみとなります。
 
トップページ > 記事閲覧
このエントリーをはてなブックマークに追加
* ポケットモンスター〜天駆ける翼〜
 

日時: 2009/02/09 20:54 < ID:svTa/3kE90 >メンテ
名前: RightMaster◆B1Y18yvr2Q
参照: http://www.geocities.jp/spectale_corony/

ポケットモンスター。縮めてポケモン。
彼らは人間と共に、互いを助け合いながら生きている。
しかし、ポケモンの多くは未だ謎に包まれたままだ。
ところで君の名前を教えて欲しい。
………イオリくんか。
では、。イオリ! ポケットモンスターの世界に出発だ!


旧掲示板からコピーして来ました。近々更新開始します。

>>1

全く同じのを転載しても面白くないので所々変えてます。
 
Page: [1]
* Re: ポケットモンスター〜天駆ける翼〜 ( No.1 )
 
日時: 2009/02/09 20:57 < ID:svTa/3kE90 >メンテ
名前: RightMaster◆B1Y18yvr2Q
参照: http://www.geocities.jp/spectale_corony/

草の丈が膝ぐらいまであろうと言う草むらを一人の男が歩く。その足取りは、何かを引きずっているように重い。
彼は今、目の前に現れた野生のポケモンを前に戦闘態勢に入る。

「行け! シザリガー!」

腰から取り出したモンスターボール――ポケモンを格納しておく道具――からシザリガーと言うポケモンを取り出す。
そのシザリガーは、ボールから出てくるなり自慢のハサミで相手に襲いかかる。
しかし、相手はサッと避け、いくつかの泡状の珠を吐き出す。

「"バブルこうせん"か。しかし、私のシザリガーは水タイプ。水タイプに対して水タイプの技はあまり効果がないぞ」

ポケモンには、その種族ごとにタイプと呼ばれる属性が存在する。同時に、ポケモンが使う技にも、技タイプと呼ばれる属性が存在する。
バブルこうせんの技タイプは水属性。そしてシザリガーも水属性。いわば最悪の相性な訳だ。

シザリガーは相手の放った"バブルこうせん"を避けもせず受けとめる。
その様子を見て、野生のポケモンは様子を伺うようにこちらを見つめる。
反撃だ! そう思った瞬間に突然相手が金切り声をあげる。
耳をつんざくようなその声におもわず耳を塞いでしまう。

「"なきごえ"か? それなら残念だな。私のシザリガーの特性は"かいりきバサミ"だ。攻撃力は下がらない」

タイプ同様、特性と呼ばれる、そのポケモンが持つ特殊な力全般を指す。
男のシザリガーの特性"かいりきバサミ"は攻撃力低下の技を受けつけないのだ。攻撃力を低下させるのが目的であるこの技"なきごえ"は、この場合、無意味と化す。

しかし、おかしい。と男は思った。普通の"なきごえ"ならば、こんなに耳がやられるとは思わない。
その時、ハッと男は何かに気付いた。シザリガーが怯えている!

「しまった! "ほえる"か!」

そう言った瞬間にシザリガーは、元のモンスターボールに戻ってしまった。それと同時に野生のポケモンも逃げてしまう。
通常のポケモンバトルであれば"ほえる"は、相手の対戦ポケモンを控えポケモンと強制的に入れ替える、いわば作戦崩しの技だ。
しかし、今のように野生のポケモンとのバトルならば、どちらかが使う事でその戦闘を強制的に終了させる事が出来る。

野生ポケモンが去った後もなお、呆然と男は立ち尽くす。
この辺りの野生ポケモンならこれほど苦戦するような事はない。しかし、今のポケモン。雰囲気が普通とは違っていた。
いつのまにか、白い霧に包まれていた。草むらであるこの場所もその薄暗さから、迷いの森にでも入ったのではないかと思わせる。
男は、その場所から静かに立ち去った。

>>2
* Re: ポケットモンスター〜天駆ける翼〜 ( No.2 )
 
日時: 2009/02/09 21:03 < ID:svTa/3kE90 >メンテ
名前: RightMaster◆B1Y18yvr2Q
参照: http://www.geocities.jp/spectale_corony/

 チョウジタウンの北側にある名所「いかりのみずうみ」にイオリはやって来ていた。
 ずっと前の話しだが、ここでギャラドスの異常発生事件が起きた。その際に複数の人から赤いギャラドスの目撃情報があった。
同じ頃にこの近くでおかしな電波が流されているのも分かった。犯人はロケット団と言う犯罪組織で、ここで異常電波による実験を行っていたのだ。
 そのせいか、ここに居るコイキングが次々にギャラドスへ進化していった。赤いギャラドスは、進化途中で何らかの突然変異を起こし、ウロコが変色せずそのまま進化したと考えられている。
 そんな大事件もあってか、ここでは異常電波がまだ残留している可能性があると、イオリはポケモン協会から調査に派遣されたのだ。

 無事に調査を終えて検査器具を片付けている時、電波探知機が誤作動を起こしているのが分かった。
電源を切っているはずなのに、電波探知機が起動しているのだ。この辺りに強力な電波か電気エネルギーを放出している電気タイプポケモンが居るのだ。
レアコイルだろうか? 周りを見渡してみるが、いつのまにか黒い霧に包まれていてよく分からない。

「こっちから探しても分からないなら、向こうから来てもらうしかないな」

 そう言うとイオリはモンスターボールからロゼリアを出す。命令を出すとロゼリアは両手のバラから"あまいかおり"を出した。
 この香りで隠れているポケモンをおびき出すのだ。戦闘では、相手の回避率を低下させる事が出来る。
水辺からはコダックとハスボーが、草むらの方からはニドランやキャタピー、コラッタと言ったポケモンが出てくる。この中にお目当ての電気ポケモンはいない。
 もう少し香りを高濃度にする為、"あまいかおり"に"アロマセラピー"を混同させる。
技と技を組み合わせる事で合成技を作り出す事が出来る。あまりに強い臭いの為、戦闘で使うと相手を混乱状態にする作用がある。
 この臭いに変えると今度は、ベトベターやゴクリン、クサイハナと言ったポケモン達が現れた。
やはり電波障害による生態系の変化か、そう思った時、背後に物凄い気配を感じた。

 とっさに振りかえるとそこには、黄色い体に稲妻模様。青い稲妻を連想させる尾に丈夫そうな牙。そして背中には雷雲を背負っている。

「もしかしてこいつは……ライコウ!?」

 とっさに選手交代と叫びロゼリアをボールに戻す。代わりに出てきたのはハガネールだ。
 鋼の鎧のような体に蛇のような巨体。鉄蛇ポケモンと分類される所以はそこにあるのだろう。
いきなりの巨大ポケモン登場に、その場に集まっていた野生ポケモン達は一斉に逃げ出すが、ライコウだけは平然としていた。むしろ戦意が燃えあがっているようだ。唸り声を上げ、ライコウの周りは目視できる稲妻が囲んでいた。

「さーて。伝説のポケモンさんとバトルだな」


>>3
* Re: ポケットモンスター〜天駆ける翼〜 ( No.3 )
 
日時: 2009/02/09 21:07 < ID:svTa/3kE90 >メンテ
名前: RightMaster◆B1Y18yvr2Q
参照: http://www.geocities.jp/spectale_corony/

 突然現れた伝説のポケモンに少し戸惑いながらも、トレーナーとしての経験から早くも戦闘態勢に入る。

 "すなじごく"と言う、地属性の技をハガネールに命じる。これは、相手の足場を不自由にする事で自由を奪い逃げさせなくする技だ。案の定、ライコウの足は砂に捕われた。

 次の選手に交代、と呟くとハガネールをボールに戻した。次にボールから出てきたのはエアームドだ。
エアームドは空高く舞い上がり主人の命令を待っている。「とっとと終わらせてやるぜ」と言わんばかりに。

「一気に勝負を決めようか、レア。"はかいこうせん"を頼む」

 エアームド――レアとニックネームが付いているようだ――は、口を大きく開きエネルギーの充填を始める。
 "はかいこうせん"は、その威力の大きさ故に充填も、またその反動による疲労も大きい。デメリットが多い技なので普通のトレーナーと普通のポケモンでは使役出来ない技だ。

 エアームドの殺気に気付いたのか、ライコウは目の前に黄色の半透明な壁を作り出す。"リフレクター"だ。
 この技は物理攻撃に分類される技のダメージを緩和する効果がある。伝説のポケモンと言えど"はかいこうせん"は怖いのか……と、思った。

 充填を終えたエアームドはライコウに向かって一直線に"はかいこうせん"を放つ。"リフレクター"で威力が分散されたものの、エアームド、ライコウ共にこの一撃で疲労が一気に溜まったようだ。

 勝負を決めよう! そう思ってボールを手にした途端、ライコウの背後から巨大なシルエットが浮き出る。野生のニドキングだ。
 この辺りを縄張りにしているニドキングからして見れば、自分の領地で知らない奴が勝手に戦争しているようなものだ。

 怒り心頭に発したニドキングを止める間もなく"ほえる"を使われたせいで、ライコウは逃げ出し、エアームドはボールに戻された。
 これ以上、彼を刺激してはならないと思い、荷物を取ってチョウジタウンに向かって走った。


 チョウジタウンにあるポケモンセンターでリュウキは休憩を取っていた。

 ポケモンセンターとは、トレーナーならば誰でも利用できる施設で、ポケモンの回復や宿の提供など様々なサービスを利用できる。

 イオリはポケギア――正式名称はポケモンギア――を取り出すと、誰かに電話をした。
ポケギアは、時計機能、電話機能、地図機能、ラジオ機能がある便利機械だ。
 改造さえすればコンパス機能を取りつけたり、メール機能を付けたりと色々カスタマイズ出来る。手軽で結構便利なので、トレーナーの大半が所持している。

「……分かりました。一度、本部へ戻ります」

 電話の相手はイオリが所属しているポケモン協会の第一師団長だ。調査を無事に終え報告したところだ。
 ポケモンの回復が終わるとエアームドに乗って"そらをとぶ"を使いポケモン協会の本部がある、シロガネ山の山頂へと向かっていった。


>>4
* Re: ポケットモンスター〜天駆ける翼〜 ( No.4 )
 
日時: 2009/02/09 21:11 < ID:svTa/3kE90 >メンテ
名前: RightMaster◆B1Y18yvr2Q
参照: http://www.geocities.jp/spectale_corony/

 騒がしい街並みを外れた静かな場所。ここはコガネシティの郊外。コガネシティは、夜になっても星が見えなくなる程明るい。ジョウト地方一の大都会と言う事はある。


 男は激しく息切れしていた。街で緑装束の人に追われたからだ。実はこの男、ある組織から追われる立場にあるのだ。

 休む間もなく闇の中から羽ばたく音がすると思ったら、複数のヤミカラスが男の周りを囲んだ。
その奥から一人のシルエットが浮かぶ。恐らくこのヤミカラスを使役するトレーナーだろう。
そのトレーナーは、こちらに軽く会釈すると大人しくしてもらおうか、と言った。

「ようやく見つけたぜ。裏切り者のジェノ」

 ジェノと呼ばれた男は、裏切り者としてこの緑装束の人達に追われているのだ。ま、名前が判明した事は読者にとって少しありがたい事だ。

「アンタは優秀な研究者だ。我々の野望の為に"あの計画"に復帰してもらいたいものだな。今、戻れば総帥も許してくれるだろう」

 断る、と小さく呟く。相手はしかめ面しながらもある程度は予想してた答えなので、さほど驚きはしなかった。
相手も「ならば、力ずくで連れ戻してやる」と言い、ヤミカラス四匹を戦闘態勢にする。

 ジェノはボールからシザリガーとアリゲイツを出す。二匹ともボールから出るやいなや、いきなり攻撃を繰り出す。

 しかし、攻撃してくる事を熟知していたかのように軽々と避ける。ヤミカラスはそこから反撃態勢に移る。
四匹のヤミカラスが一斉に"でんこうせっか"の如く突進してくる。
攻撃は当たったが、それほどダメージがないようだ。自分の体に当たったヤミカラスをシザリガーが"クラブハンマー"で叩きつける。アリゲイツも"れいとうパンチ"で殴り飛ばした。

 四匹中二匹を戦闘不能にしたので残り二匹となった。この圧倒的なレベルの差を目の当たりにして、ヤミカラスは少し怯んだようだ。

 さすがだ、と相手が呟くとヤミカラスをボールに戻す。不気味な笑みを見て取ると、いつの間にか囲まれているのに気付いた。

「これだけの人数がいれば、さすがのアンタも抵抗できないだろう?」

 多勢に無勢か、そう思った時、泡状の珠が上空から降り注ぎ緑装束を襲う。見覚えのある"バブルこうせん"だ。

 目の前にその術者が現れる。青い体に白い斑点がある。川の流れのようにしなやかなたて髪に、頭には大きなクリスタルを乗せている。

 相手がスイクンと呟くとジェノはハッと身構えた。これが自分の追い求めていたスイクン。
あの時は、白い霧に包まれていてよく見えなかった。雰囲気が違うのも伝説のポケモンなら当然だ。
スイクンは何故かジェノと敵対する緑装束軍に対して敵意を持っているようだ。おかしいとは思う反面、心強い味方だ、とも思っていた。

 相手側は、鳥ポケモンを一斉に放ち"ゴッドバード"を命じる。
鳥ポケモンが使う最大級の"たいあたり"で、その攻撃力は、フォレトスの装甲ですら貫く事が出来ると言われている。もっとも、使うポケモンのレベルが低ければ無理な話しだが。

 眩い光に包まれた鳥ポケモンが同時にスイクンに襲いかかる。
いくらスイクンでも耐えきれない! そう思った瞬間とても強力な光がその場を包む。おもわず両手で目を覆ってしまう程眩しい。

 光が消えると、そこには鳥ポケモン達が氷漬けになっていた。氷属性の技"オーロラビーム"だ。

「くそ。何だってスイクンが襲って来るんだ! 伝令だ! 第一師団撤退!」

 そう相手が言うと、残りのメンバーも全員退いたようだ。その様子を見届けると、今度はスイクンがジェノに向かって歩き出した。
その目は何か決意をしたような色を伺える。
「これからお前の試練を始める」と言っているような気がした。

 ジェノはもう一度戦闘態勢に入る。今度はスイクンと対戦する為に。

「私が追い求めていたスイクンよ。いざ、尋常に勝負!」


>>5
* Re: ポケットモンスター〜天駆ける翼〜 ( No.5 )
 
日時: 2009/02/09 21:21 < ID:svTa/3kE90 >メンテ
名前: RightMaster◆B1Y18yvr2Q
参照: http://www.geocities.jp/spectale_corony/

 カントー地方とジョウト地方の境目に存在するシロガネ山。険しい山道の上に凶暴な野生ポケモンが巣食う危険な場所である。
そんな事もあってか、開拓する事も出来ず普段は立ち入り禁止状態になっている。
その山頂に向かってイオリはレアに乗って"そらをとんで"いた。


「今日未明、コガネシティ郊外にて氷漬けになっている鳥ポケモンが数匹が発見されました。今のところ詳細は不明ですが、強力な"オーロラビーム"であると警察は発表。今も原因究明が急がれている模様です」


 ポケギアのラジオ機能が起動しているらしい。朝のニュース番組が流れてくる。
とは言っても、昨日チョウジタウンを出発したのは夜明け前で本人はレアの上で爆睡していた。
レアはと言うと、ずっと眠らずにシロガネ山山頂に向かってひたすら飛んでいて、今はワカバタウンから北東に向かって移動しているところだ。

 朝のニュース番組が終わり、次の番組が始まる間のCMでイオリは目を覚ました。近々開催されるシロガネリーグトーナメントの宣伝をしていたからであろう。

 シロガネ山に辿りつく前に、巨大な気球が見えてきた。それはポケモン協会軍本部で、ポケモン協会本部とはまた少し違った施設である。
この軍本部は空中移動も陸上移動も水上移動も可能な施設で、常に各地を巡っている。

 向こうもこちらを発見してくれたようで、入り口を開いてくれた。

 中はかなり広く、空中だと言う事を忘れるくらい静かで快適だ。特別な技術を使っているらしいが、イオリには分からない。特に興味も沸かないので調べようともしてないのだが。

 こちらに向かって歩いてくる人がいた。背丈は自分と同じくらいで黒色の短髪で黒色の洋服に黒色の靴。全てが黒ずくめのこの男がチョウジで話した電話の相手、ポケモン協会軍第一師団長であるシンだ。


「ようやく戻ったか。早速だが任務報告をしてもらおうか」


 シンは真面目で仕事一筋。怠け者が大嫌いでそう言う人には裁きの鉄槌――同僚軍人の間で恐れられている世界最凶のげんこつ――を振り下ろす。
その割には意外と冷静でよくキレる。部下からも上司からも頼りにされてるリーダー的存在だ。

 イオリは、残留電波の報告とライコウに出会った事を報告した。電波に関してはやはりと頷いたが、ライコウの件を聞いた瞬間から動揺を隠せないようだった。

 今朝のニュースを聞いたか? とシンは口を開いた。


「コガネの郊外で凍結状態の鳥ポケモンが数匹発見されたようだ。犯罪行為ではないし至って普通だと思うんだが、ただの"オーロラビーム"にしては妙なんだ」


 この技は氷属性で、時々相手の攻撃力を低下させる作用がある。正直"れいとうビーム"ほどの凍結力は無い、とシンは言う。
よほど鍛錬してレベルが高くなった氷タイプのポケモンが使ったか、スイクンだろうとシンは言った。

 スイクンはライコウに並ぶジョウト地方に伝わる伝説のポケモンでホウオウに仕える三匹、あと一匹はエンテイと呼ばれるポケモンだ。

 三匹は、ホウオウと共にアンノーンと呼ばれるポケモンと密接に関係がある。アンノーンは次元と時空の狭間で番人と崇められ、その狭間で壁を作りだし互いに亀裂が生じないようにしていると言われている。

 キキョウシティにある遺跡で最近謎が解明されつつあるこのポケモンは、ポケモンの潜在能力を最大限まで引き出す技"めざめるパワー"を得意としている。
スイクンは常に、この技の影響下にあると言うことらしい。スイクンだけではなく伝説もしくは幻と言われているポケモン全てが影響下にあり、またそれを使役しているのだと言う。

 この増幅器みたいな影響を受けた"オーロラビーム"は、瞬時に「敵だけを」凍結させる力があると言う。
だから、周りの木々や建物は凍っていなかったのだとシンは説明する。


「軍の上層部では、スイクンとライコウが特殊な動きをしているのが分かったらしい」


 それ以上、詳しい話しを聞かせてもらえなかった。と、言うか会話を中断させられる事件が起こったのだ。
警報機が唸り、アナウンスの声が辺りに轟く。


「コガネシティ市民会館がホーク団と名乗る集団に占拠された模様。会場にいる人を人質に立てこもっている。手の開いている者は直ちに救援に向かうように。繰り返す……コガネシティ市民会館が……」


 ここまで聞いた二人は"でんこうせっか"の如く入り口から空中に飛び出す。
イオリはレアを、シンはフライゴンの背に乗って"そらをとんだ"。

 空中移動の為、二人が話しこんでいる間に軍本部はウバメの森上空に到達していた。ここから少し北上したらすぐにコガネに着く。
二人はそのままコガネに向かって行った。


>>6
* Re: ポケットモンスター〜天駆ける翼〜 ( No.6 )
 
日時: 2009/02/09 21:21 < ID:svTa/3kE90 >メンテ
名前: RightMaster◆B1Y18yvr2Q
参照: http://www.geocities.jp/spectale_corony/

 コガネ市民会館は突然停電になった。これからポケモンコンテストスーパーランクの第二次審査を始めようとしたところだった。

 何が起きたか状況が掴めない内に停電が治った。その時には既にホーク団が出入り口を固めていた。

 本部から飛んで来たイオリとシンは、群集をかきわけて入り口のところまで来た。そこには中に居るホーク団に呼びかける警察の姿があった。警察から簡単な事情の説明を聞いた二人は、ホーク団の要求を聞いた。

 その要求とは『優秀なトレーナー』だと答えた。
矢張り『優秀なトレーナー』か、とイオリは考えた。

 このホーク団、最近活動を活発化させたみたいでどうやら優秀なトレーナーに限らず優秀な人材を片っ端から入団に勧誘しているらしい。
それといって大規模な事件はなく、恐らく今回がこいつらの起こした始めての事件だろう。

 ホーク団の目的を模索しているところに屋上から数人の人影が現れた、緑装束のホーク団と一般人が数人。
その中のホーク団が一人前に進み出てこちらに話しかけてきた。


「聞け! 我々『ホーク団』はやがて滅亡する全世界を救うべく現れた聖教団。お前達に我々の計画を邪魔だてされはせん!」


 そう言って彼は何かを握った右手を高々と掲げた。それは何かのスイッチだった。それに気付き一瞬で何が起こるかも分かった二人は止めようとしたが、気付いたのと同時にそのスイッチは押された。

 大地が引き裂くような轟音が響き、同時に地震が起こる。市民会館は白煙を上げ崩れ落ちていく。屋上に居た人達は、一般人が出していたフーディンの"テレポート"で逃げたらしい。

 彼が握っていたのは爆弾のスイッチ、そのスイッチが設置されていた爆弾を起動させたのだ。
それは柱を一瞬で吹き飛ばし、屋根の重みに耐えられなかったドームが中に居る人――ホーク団もいるのかは分からないが――を巻き込み崩れ落ちた。全員がドームの下敷きとなったのである。
たった一瞬でコガネの街が悲劇に見舞われた。





 何時間か経ち軍人と警察、消防隊、救助隊、レンジャー、ジムリーダーと色々な職業が集まってポケモンと共に救助活動が行われた。
救い出された大半の人は既に亡くなっていた、奇跡的に生き残っている人も居るが致命傷を負っていた。
その人達を一時ポケモンセンターに搬送したくても、この騒ぎのせいで交通状況が大混乱に陥っていた。

 またこの崩壊のせいでライフライン――水道、電気、ガスなどの生活に必要なシステム――にも影響が出ていた。付近の住宅ではこれがストップしてしまっている。
これが医療機関にも影響を出し、治療が遅れてしまっているらしい。

 更に最悪の展開を招き入れるのが野次馬とマスコミ。
事件好きな彼らにとってはかっこうの獲物だ、携帯電話やポケギアで写真を撮り挙句の果てには救助活動中にインタビューを行い活動に支障を与える者までいた。

 彼らを無視して作業を続けたイオリには別の感情がのしかかってくる。
あの時、もっと早くに気付いてたら……止められたし、亡くなる人も出なかった。
そう言う感情が時々手を止める。が、すぐに我に返り作業を続ける。

 翌朝になると二人は軍本部に戻っていた。昨日の事件は報道で既に全国に伝わっていた。
何故助けられなかったのか? 何故すぐに犯人を捕まえなかったのか?
そんな非難の声がメールや電話、手紙など色々な方法で届けられていた。軍の上層部や師団長であるシンも押し寄せてくるマスコミの対応をさせられていた。
それを確認した後、イオリは一人で軍本部を飛び去ってどこかに行った。


>>7
* Re: ポケットモンスター〜天駆ける翼〜 ( No.7 )
 
日時: 2009/02/09 21:25 < ID:svTa/3kE90 >メンテ
名前: RightMaster◆B1Y18yvr2Q
参照: http://www.geocities.jp/spectale_corony/

 まったく……酷い目に遭った。郊外とはいえ街中でいきなりホーク団に襲われると言うのは、気分が良いものではないな。

 コガネシティから南下して、ウバメの森をジェノは歩いていた。

 追われる身である為、ずっと同じ場所に留まっている訳にもいかない。最後にまともな宿で寝たのはいつだっけかな。
そんなことを考えながらもジェノは歩き続け、気分を紛らわすためにポケギアでラジオを聞いているとニュースが流れてきた。


「昨夜、ホーク団とみられる集団にコガネ市民会館が占領されました。
警察や軍の説得にも応じず、犯人グループは人質を会館に入れたまま爆破。
少なくとも会館にいた80人近い人数が下敷きになりました……」


 アナウンサーが事件の説明しているのを集中して聴いていると、突然女性の悲鳴が森に響いた。
なんだ? 確かに聞こえたのは女性の声だ。

 声が聞こえた方向に走り出そうと駆け足をした瞬間に、茂みから女性が飛び出した。
――危ないっ! そう叫んだように聞こえた。聞こえたような気がしただけで実際、何と言っていたか分からない。

 彼女の背後には数匹のスピアーがいて、どうやらそのスピアーから逃げ回っているようだ。
任せろと言わんばかりにジェノはボールを取り出す。出てきたのは、青い体で白い腹。
赤いとさかのような毛を生やして、大きく開けた口には沢山の牙が見えている。おおあごポケモンのアリゲイツだ。

 スピアーの群れがアリゲイツを見つけて一斉に攻撃を仕掛けるが、群れのスピードが急激に落ちている。


「どうだ"こわいかお"の威力。相手の素早さを下げるのはもちろんだが、使いようによっては、相手を怯ませる事も出来る」


 実際、アリゲイツの顔を見て逃げ出すスピアーが2、3匹。それでも大群であるのには変わりない。
しかし、ジェノは勝利を確信したような、にやついた表情を浮かべて右手を挙げる。

 すると、アリゲイツが勢いある水を地面に噴き出し、地面の土や岩を巻き上る。土や岩は次々とスピアーへ襲いかかる。

 この森の地面は柔らかいからすぐに巻き上がってくれる、だからこそスピード型の"がんせきふうじ"が成立する!

 勝利を確信したとは言え、この攻撃は勝率の高い賭けだった。
柔らかい土や岩は、少し威力の強い水を噴射する事で簡単に巻き上げる事が出来る。これが、さっき使ったスピード重視の"がんせきふうじ"に出来た理由だ。

 だが言いかえれば、柔らかいので本来の形である岩石を使った"がんせきふうじ"よりは、威力が相当減少していることになり、効果的なダメージを期待出来る訳ではない。

 それでも勝率の高い賭けの理由としては、素早さを落としている、つまり『回避率自体の減少』と言う事である。

 それとともに攻撃のやりやすさ、今回は簡単に巻き上がるので攻撃の弾が簡単に、かつ沢山作れるので『攻撃回数の増加』に繋がる。
2つの効果的な要因によって、勝率を上昇させたのだ。スピアーは泥や岩に巻き込まれ墜落して気絶している。


「助かりました。ありがとうございます」


 先ほど襲われていた女性が礼を言ってきたので、大した事では……と言いかけた瞬間にあるものが目に入ってきた。
彼女は軍人の服を着ているのだ。つまり上級者のポケモントレーナーなのだ、なのに野生のスピアーなんかに襲われている。

 こちらが黙っているのを見て、闘うのはそんなに好きじゃないんですと言ってきた。なんて意外な……
まぁ、軍人と言うが彼女のように戦闘を好まない人もいる。性格と言うのだろうか、人それぞれだな。
それになんとなく分かるような気がする。彼女が出す雰囲気とか、オーラと言うのか、大自然のように寛大な心を持っている気がする。


「ルキス、何かあったのか?」


 彼女の背後から――ジェノがやってきた方向から――男がやってきた。彼女の事をルキスと呼んでいるその男は、彼女と同じ軍人だろう。

 スピアーに襲われていたところをジェノに助けられた事を男に報告する隙に、ジェノは逃走を計ろうとした。
俺がやって来た方向から出てきたと言う事は、こいつは俺を尾行していたに違いない。さっきから怪しい気配がすると感じていた。

 動いた瞬間男に「止まれ」とジェノは制止されてしまう。ちっ、厄介なのに捕まってしまったものだ。
元ホーク団の研究者なら、強制連行されて事情聴取されるだろう。そう思っていたので質問を受けた時に、は? と聞き返してしまった。


「イオリと言う名の軍人を見なかったか? こういう奴なんだが……」


 ポケギアでその人の写真を見せられる。見覚えの無い顔だ。見た事無いと伝えると、やっぱりここじゃないのかも…… と、ルキスが男に言う。


「シン。あなた、早く戻らないとあの人にあれこれ言われるわよ」


 知ったことか。シンと言う名の軍人が言い返す。結局、ルキスがシンを諭しコガネ方面へ向かわせる。
ルキスがこちらに振りかえり改めて礼を言い、そしてシンの後に続きコガネ方面へ歩いていった。
――助かった。一時はどうなるかと思ったが、よくよく考えるとジェノの顔はまだ知られていないのだ。
何かしらの前科があると常に緊張と隣り合わせだ。そんなことより、さっさとここを立ち去るか……
ジェノは再び歩き出した。


>>8
Page: [1]